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しゆたろの日常

しゆたろの日常についてきままにつぶやきます。創作もします。

第三話

小説 黄泉がえる世界

何を言い出そうか迷って、唇が震えていた。しかし、何とか抑えつつ、冷静さを装い、話し始めた。

「私はくるみ、ここ黄泉がえりの組織で働いている者です。あなたがお目覚めになるのをお待ちしておりました、上で私以外にも待っている方達がいます。さあ

、行きましょう」

くるみはその台詞を言うとすぐに後ろを向いた。泣きそうな顔見られたくなかったからだ。すると、彼に声をかけられる。

「よくわからないけど、誰か待ってるんだな。お前も…くるみって言ったっけ。ごめん、俺、自分の名前覚えてないから名乗れないんだ」

くるみは振り返る。

「大丈夫、お名前は知っております」

そういうと、少し驚いた顔を見せたがすぐに微笑んで

「そうか」

と言った。その微笑みを見ていると辛くなった。だから、もう振り向かず前を向いて階段を上がっていった。

彼も何も言わず、付いて来た。

そして、階段の中盤辺りになって

「ご飯、せっかく用意してくれたのにな」

と呟いた。くるみは思った、変わらないなって。思っただけ、口にはしない。声に出したら止められそうになかった。

「後で、あっため直して持って行きますよ」

そう返事を返すと、また微笑んだ。

「なら良かった」

そういう他愛ない話をして、それからは途切れていた。沈黙のまま、目的の部屋へとたどり着いた。

くるみはノックする。

「連れてまいりました」

「ご苦労、入って来てくれ」

ドアを開けるとそこには…