しゆたろの日常

しゆたろの日常についてきままにつぶやきます。創作もします。

第八話 裁きの終結

バンッ!
鍵穴に見事に的中させ、扉は俺が勢いよく開けた。
ガラッと鳴りそのあとに俺たちの足音が続く。くるみが拳銃を構えていった。
「動かないで!!」
その声は、俺をも驚かせるような迫力だった。
黄泉人の男の手が止まった。子供の首にナイフが刺さろうとする手前だった。
「くるな!!来たらこの子供を刺すぞ!」
サスペンスドラマのお決まり文句だった。…ではなく、緊張した空気が漂った。
バンッと床に、くるみが撃った。ビクッとした黄泉男。その手からナイフが離れた。
俺は、そのナイフを部屋の端まで蹴り飛ばした。ナイフを取ろうと立ち上がった男に俺はタックルした。動かないように上から乗っかった。
「この後どうすればいいんだ!くるみ!」
「いまからやります。見ててください」
バキュィィン!!
ま、まさか。くるみ、お前…!?
「撃ったのか?」
「はい」
「殺したのか??子供の前で…この仕事は、黄泉に送るって殺すってことなのか?」
「黄泉をわかってなかったんですか?」
「いや、わかってるよ。送るっていうからなんか、黄泉へ行ける入口っていうか、そんなのがあって、そこから黄泉人を送り届けるのかと…思って」
「…」
「それじゃ、殺人者とかわんねぇじゃねぇか…」
「違います。よく見てください、あなたはなんの上にいますか?」
「黄泉人の男の上に乗っかっているに決まってんだろ、…!?」
「いいえ、床の上に座ってるだけです」
「な、そ、そんな俺は確かに、あいつの上に乗っかって…」
「今の一発の弾は、隊長へこの黄泉人を移動させる魔法の弾なんです」
「なんだと?」
「これから、隊長らによって黄泉の国へ送られるでしょう」
「ってことはやっぱり、殺人じゃ…」
「さっき、あなたが言った通りですよ。送り届け方は」
「なんだ、よ、よよかった」
俺は、何か違和感を覚えた。―止まってる。
「ここの時計と待ってる、ていうかこの子供動いてない、母親も!」
「気付きましたね、そう。時間を止めているんです。この親子は今夜起こったことはもう覚えていません。黄泉人にかかわって傷ついたもの人を修復するために止めているんです。さぁ、早く帰りますよ。そろそろ時間が進みます」
「あ、ああ」
生返事をして、もう何が何だか分からず、くるみの後をついて事務所へ帰って行っていた。
いろんなことがありすぎた。一日にこんなにも。明日がテストで、今日は明日のテストのために暗記モノを一気に詰め込んでいる感じ。明日には、些細なことは忘れているだろう。でも、拳銃の銃声は一生心の記憶に残るだろう。今日は、もう疲れた。俺が目覚めた、この部屋のベッドに勢いよく倒れた。
「一日でこんなまいっちまうのに、何日も続けられるかな…」
慣れているんだろう、あいつらは。もうこんな生活に。
(あの黄泉人、ちゃんと黄泉へ行けただろうか…そういえば、会ったときから思っていた、あの黄泉人どこかで会っていた気がする。今よりずっと前に…)そう思って眠りに着いた。