しゆたろの日常

しゆたろの日常についてきままにつぶやきます。創作もします。

第十二話 見たもの

目を開けると、そこはなじみのある部屋の天井が見えた。
体が鉛のように重たくて、動く気になれない。
俺は何をしていたんだっけ。
確か…満月の日だったから、黄泉人の情報をシンから聞いて、そして…
夜、確かめに○●会社にいって、予知どおりの柱に行ったら…

思い出した、何もかも。
「痛っ」
考えてたら、頭痛くなってきた。

―「俺、黄泉人にやられたんだ」

「見ましたか、黄泉人の姿…」
突然、隣から声が聞こえた。
驚いた俺は
「く、くるみ!!お前いたのか」
と言った。
「大きな声出さないでください。頭に響きます」
顔をしかめた、くるみ。
「あ、ごめん」
くるみは、珍しく髪を下ろして布団にくるまれていた。
頭には包帯。俺も頭が痛いし、包帯巻かれてるんだろうか。
くるみは視線をこっちに向けた。
「さっきの話、聞いてましたか」
「あ、えっとなんだっけ?」
「黄泉人の姿を見たか、聞いたんです」
「いいや、お前は見たのか?」
「はい。隊長たちの誰かがきたら言おうと思ってます」
「俺に先に教えてくれないか?」
「…いいですよ。信じられないかもしれませんが」
「お、おう」
なんだ、くるみの知り合いだったとか。そ、そんなわけないか。
くるみの目はこちらをじっと見つめて、話した。

「えぇっ!?」
ガチャッ
戸が開いた音がした。
「あら、元気ね」
梓は嬉しそうな顔で、この部屋に入ってきた。
「あ、梓さん」
「頭は痛いんすけどね」

梓は、食べ物を持ってきてくれたらしい。
ベットの隣の机にそれを置いた。
「二人とも、ごめんなさい。指令班がもっとはやく伝えていたら…」
「シンさん、具合悪かったんですから。仕方ないです」
「これくらい、へっちゃらっすよ。先輩!」
「そう。ありがとう」
くるみは真剣な顔をして、話した。
「それより、梓さん。私、見たんです。黄泉人の姿…」
「えっ!本当!?」
梓は驚いて、くるみに近づくように体を前に出した。
「信じられないかもしれませんが」
と、前置きをした。そして梓の目を見つめて、口が開いた。
「…犬だったんです」