しゆたろの日常

しゆたろの日常についてきままにつぶやきます。創作もします。

第十三話 導き出されたもの

「い、犬?」
眉間にしわを寄せて、オウム返しする梓。
「人じゃなかったってこと!?」
「…はい」
「そっか、私たちいつも黄泉人って呼んでて、勝手に人だと仮定してたのね…蘇るのは、人だけじゃない」
梓は自分の考えを改めていた。
それだけでなく、表情の中にはショックを受けてるような感じがした。
でも、すぐ明るい表情になって…
「ありがとう!くるみちゃん!すぐに隊長たちにしらせるわっ」
と言って、部屋を出て行った。
俺は何とか体を起こして、梓が持ってきたご飯を食べた。
「俺の記憶、あいまいなんだが。確か、黄泉人てか黄泉犬??にやられる前、柱が壊れた気がしたんだが…」
「…そうだ」
とくるみはつぶやき、その瞬間にご飯を食べる俺のほうへ起き上がり
「なんでっ!それをさっき梓さんに言わなかったの!!」
と声を荒げた。
珍しいことだし、いきなりのことで動揺してた俺は何も言えず黙っていた。
「今回の謎にかかわることですよ!それって!!」
「あぁ…」
やっと出た声がこんな声だった。
それぐらい、驚いていた。くるみがこんなに情熱的って言うか、声を荒げることってなかったから。
俺の戸惑ってる表情に気づいたのか
「…ご、ごめんなさい。いきなり大声出してしまって」
恥ずかしがって顔を伏せたと思ったら、布団の中にもぐりこんだ。
「い、いや。そ、それより!俺つたえてくるからっこのこと!!」
本当は動くと痛いが、勢いよく、部屋から飛び出した。
そして、階段のところでようやくゆっくり歩いた。
でも早く伝えなければと思って、できるだけ早く階段を上がった。
…なぜだ?くるみに言われただけなのに

布団の中にもぐりこんでる、くるみ。
なにやら、考えている様子。
「何やってるんだ、私…」
決めたんだ!最後までやり通すって、辛いけど。
本当は、もう続けたくないこんなこと。だけど、決めたから。
まだまだ、道のりは長い。
こんなところで、失敗するわけにはいかない。
…でも、本当にこれでいいのかな。
これで、取り戻せるのかな。

早く…思い出して。

やっぱり、体が重い。
いつもは楽勝なこの階段が辛い。
やっとのことたどり着いた俺は、ドアをノックする。
「はーい」
と声がして、ドアが開く。
「た、卓斗くんっ!?」
「卓斗さん!!」
ちょっとよろよろしてたのか、支えてくれた梓とシン。
「大丈夫なのかっ動いて?」
「余裕っすよ!それよりシンは大丈夫なのか!」
「おかげさまで」
微笑むシンに俺は、ほっと胸をなでおろした。
「卓斗くん、それで何だね」
「言い忘れてたことがあって、俺が黄泉犬…あ、犬については聞きましたか?」
「あぁ、さっき梓にね」
「その犬に襲われる前、柱が壊れたんです」
「そういえば、壊れてたな。助けに行ったとき…」
「で、俺が思うに犬はそこから出てきたんじゃないかと」
「柱からだと?まさか」
「そうすると、周りに死体がなかったこともうなずけます」
「もしかして、卓斗さん。その犬は…」
「その犬は、この建物が建つ前に地面に埋められてたんじゃないかと思うんです」