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しゆたろの日常

しゆたろの日常についてきままにつぶやきます。創作もします。

第十五話

小説 黄泉がえる世界

私のばか、ばかばかばかばか。
自分の苛立ちをあの人にぶつけてどうするの。
後で謝らなきゃ。謝る、どうやって?
気まずい。顔合わせられない。こんな事になったのは誰のせい?
……。
ー私だ…

朝になったら、大分落ち着いてきた。
やっぱり、チャイだ。
チャイが帰ってきた!
夜中はびっくりしたけど、朝になって冷静に考えたら
この街は死者が蘇るとして有名な場所だった。
だから、この子は本当にチャイなんだ!

チャイが亡くなったのは、今から10年前。
私が10歳だった頃、初めて家で飼ったペットだ。
でも捨て犬だったため、すぐに病気になってしまった。
動物病院に連れて行ったが、治らず…
悲しくて悲しくて、思い出したくないと思ってお願いして、病院の庭に埋めてもらった。

チャイのお墓どうなってるかな。埋めた以来、思い出さないために行っていない。
よし!行ってみよう!

「あれ⁉︎動物病院、この辺じゃなかったっけ?」
久しぶりに来たから、間違えたのかな?
でも、動物病院のまわりの景色はあっている。
ここなはずだ。
しかし、そこには私の知らない会社があった。
しかもなにか事件があったらしく、キープアウトのテープがはられている。
「すいません。なにかあったんですか?」
近くにいた、黒髪の男の人に声をかけて見た。
「あ、あぁ。柱から動物が蘇ったんだよ」
「…動物?」
まさか。
「私、黄泉がえりという組織のものなのだが、部下がけがしてしまってね。その蘇った動物がどこに行ったのか、探してるところなんだよ」
違う、チャイは関係ない。違う日に蘇ったのかもしれない。
それに人にけがなんてさせる子じゃなかった!
「そうだったんですか!大変ですね。部下の方のけがが早くよくなるといいですね」
「ありがとう」
私はすぐ、その場を立て去った。
家で待ってる、チャイが心配だった。
よかった。ここに連れてこなくて、きっとあの人に犯人にされていた違いない。
私がチャイを守らなくちゃ!

「ただいま!チャイ!」
私はチャイを抱きしめた。
「チャイはなにも悪くない。私が守ってあげるからね!」

夜中。
ーガルルルルル…
静寂な暗闇の中、けものが一匹唸っている。
会社帰りだろうか。一人の人の気配がする。
けものは、見ている。対象がこちらに来るのを待っている。
奇妙な唸り声に気づいたのか、その人は立ち止まりあたりを見渡す。
声の方へ顔を向ける。けものと目があった。
ーその瞬間。

グオォォォォォォ‼︎‼︎‼︎
というけものの声が響いた。