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しゆたろの日常

しゆたろの日常についてきままにつぶやきます。創作もします。

第二十四話

小説 黄泉がえる世界

「イヤモニ?つければいい…の?」

「そうです、これで指示班の方と連絡を取り合います」

夜。黄泉人が蘇る。初めてのコンビでの活動。

「シンさんのいうことよく聞いてください、行動するために大切ですから」

「わかった…」

ぴぴ…イヤモニに連絡が入る。

聞こえますか…?

「はい!」

では、今回の黄泉人についての説明です…

 

ー今回の黄泉がえりの任務は終わった。

どうやら、叶斗は初めてのことだらけで疲れたようだ。

「大丈夫ですか?叶斗さん」

答えがない。さっきの出来事が衝撃すぎて、何か影響が…!?

「叶斗さんっ!?」

肩を強く揺さぶる。

はっとしたようにこちらを見た。

「すごいね…こんなこと毎回やってるんだ」

「疲れましたね、休みましょう?」

「すごく、やりがい感じた。これだ、僕のやりたかった仕事は…ここしかない!」

「!?」

なんだろう、ものすごく不安になった。

「約束ね、ちゃんと覚えてるよ。くるみちゃんと仕事するのさ、楽しかったんだ。ね?くるみちゃんもそうでしょ?」

ダメなんて言い出せない。梓さんの怪我が治るまでのはずでしょう。私はこの人とまた仕事するなんて出来ないだって…私の隣にいる人はもう決まって…誰だったっけ?…あれ?

思い出せない顔が浮かび上がった。

…いいんだ、叶斗で。そうだ、そうだった。私は行動班のコンビを探していた。それが叶斗だったのだ。でも、彼はまだ…

「隊長に掛け合ってくるよ!先に寝てて!」

「待って!あなたは黄泉人なんですよ、立場を考えて…」

と言い切る前に、彼は駆けて行ってしまった。

まずい、先に梓さんに言わないと!

 

「梓さん!」

「どうしたの?早く寝ないと…」

「叶斗さんが、叶斗さんがここの仕事がやりたい仕事だったって、だから続けさせてもらいたいみたいで、隊長に掛け合うって出て行っちゃって…!!」

「なんですって?!」

 もうなんなのよ!あいつ!自分が善悪判断されている立場だってわかってるの!?

治ったばかりの足を使って精一杯走る。くるみも後から付いてくる。深刻な顔をしていた。

バンッ!!

「隊長!!」

「おぉ、なんだ今日は騒がしいなぁ」

「げっ!梓さん…!」

「もうそいつから話聞きました??」

「ああ…」

「まさか、受け入れるつもりじゃ…」

「いや、断ろうと思ってたよ」

「えぇ~!!」

「約束したよな?梓の怪我が治るまでって、それにお前は黄泉人だ。善悪の判定をこれからするんだぞ?」

それを聞いて、梓とくるみは安堵した。

「僕を、善人と判断してくれれば、組織に入れてもらえますか?」

うつむきながら、そう言った。

「俺、皆さんの役に立ちましたよね?何も悪いことしてないですし、立派な善人ではないですか!?」

部屋全体が静寂に包まれる。確かに彼の言う通りなのだ。悪人として罰することはしていない。

「それは善と判断しよう。しかし、組織に入ることは別だ」

「確かに、隊長さんは後で仕事口見つけてくれると言ってくれましたけど、僕は…僕はここで仕事したいんです!」

まっすぐな眼差しで見つめる。すると、意外な人物が答えた。

「…私は、叶斗さんを組織にいれてと思います」

梓は驚いた、まさかくるみからその言葉が出るなんて。

「実は私も同じ意見だよ、くるみ」

隊長もだと。

「待ってください!どうして?二人とも、特にくるみは嫌がってたじゃない!?」

「梓さんこそ、どうして拒むんですか?行動班としてちゃんと仕事できていましたよ?彼。優秀な人材は受け入れないと」

「でも、もう決まって…」

「梓さん!僕のこと嫌いですか?くるみちゃんも僕の姿を見て、ここまで言ってくれてるのに…」

叶斗から向けられた目を梓は見つめる。

みんななんだかおかしい。心変わりしたように、気持ちが変わっている。いったいどうしたんだろう?

確かに、力になってくれた。突然現れた、そして黄泉人であること以外普通である。まだ、この組織で働いてそんなに日が経っていないのに、しっかり仕事ができた。何も悪いことしてない。それは認める。だか、ここで働くことは認めない。行動班はもう私が復帰すると決まっている。今までの仕事の経験上、3人も必要ない。 そうか、今度は指示班として働かせようとしているのか?それだったらいいのかもしれない。指示班はシンと隊長の2人しかいない。隊長が前に他の場所へ出張した時、1人でやっていたシンは辛そうだった。隊長が他の場所へ出張することは度々ある。応援要請もある。くるみとコンビをさせるくらいならいいだろう。指示班なら組織に入れてあげても…

「梓さん、彼を…見ては…いけない」

喋りにくそうにはなす声に、はっとなる。そして、声のする方は顔を向ける。

「シン?」

シンは梓の目の前にいる、叶斗を睨んでいた。見てはいけないってどういうこと?

「彼は、充分…悪い、ことを、してい、ます…」

その言葉に叶斗の肩が一瞬動いた。

「あなたも…ぼ、くと同じ…」

「そうか、今まで僕に近づかないようにしてたのは、それを気付かれないようにするためか…今すごく感じるからね」

「な、なにが?なんなの?シン?どういう事?」

「彼も…僕と、同じ…の、うりょ、くしゃ」

うまく動かせない口を頑張って開いて喋る。それがこの事態の深刻さをより際立たせている。

「彼、の能力…は人、のこ、ころを…操る…!」