しゆたろの日常

しゆたろの日常についてきままにつぶやきます。創作もします。

第三十三話 追ったその先に

黄泉がえりの皆さん、お待ちしてました!他の事件の捜査で人員が足りなくて…依頼してしまいました」
「現場はここか?」
「はい、銃声が聞こえてガラスが割れたそうです」
ガラスはヒビ割れていた。家のガラスだが、住民に被害がなかったのが救いだ。
「銃を撃った奴を見た人はいないのか?」
「はい!通報してくれたこちらの女性で。他に見ていた人はもう通り過ぎてしまったみたいです」
「あなたは急ぎの‭用事は大丈夫ですか?」
「大丈夫です…」
震えた手を隠すように両手で握りあっている。
深呼吸してから、言葉を発した。
「黒い…マントをしてて、見るからに怪しかったんです。そしたら立ち止まって、マントの中から手を出して…そして拳銃を…」
そこまでで言葉が詰まり、体も震え始めた。
「そこまで話してくれてありがとうございます、また思い出したことあれば言ってください」
くるみが女性の震える体を支えて、近くに座らせた。
「黒いマントの人物、男か女かは微妙かな」
「あの…私よりも身長高かったし。体格もよさそうでしたので男性の方かも…」
でも、それだけで性別を確定してもよいものだろうか。
「もっと他にも見ている人がいるかもっすね」
「そうだな、ここの被害のあった家の住民の方には話聞いたか?」
「はい。後、拳銃の弾も回収しています!」
警察が住民に聞き込みして分かったこと。
ガラスが割れた音がしたから、急いで外に出た。
まだ、撃った犯人はいて、そいつはにやっと笑って去っていったようだ。
そこで顔は鼻より下しか見えなかったが、確かに男だったという。


人員が増えたのか、女性警官が来て目撃者の女性に付き添った。
女性は警官に任せて、犯人が去って行って方へ三人は向かった。
「警察は他の捜査に追われているって言ってるけど、こっちにそんなに優先できないっすかね。もう犯人どこかに行っちゃうっすよ…」
「まぁ仕方ないさ、手掛かりはある!それを使って見つけ出そう」
「了解っす」
くるみは何かに悩んでいるのか、ずっと足元の方を見たまま歩いていた。
くるみに卓斗が話しかけようとしたら
―ピピッ
『こちら司令本部、梓。また銃撃の被害があった模様。三人がいるところから1㎞先よ』
「了解、1㎞か…」
「走りましょう!」
「やっぱそうなるか…」
「行くぞ!くるみ」
「え、あ…はいっ!」
不意打ちで握られた手はそのまま引っ張られた。身長の差で歩幅も違うから、くるみは必死についていく。
そのあとを隊長が追いかけてくる。
(まだ被害はないとはいえ、このまま野放しにできるか!一刻も早く捕まえてやる)

 

辺りはざわざわと騒がしくなっていた。 

「警察か?銃持ったやつあっちに行ったぞ!!」
目撃者が叫んで伝えてくれた。やっと追いつけるか。
「わかりました!あっちっすね!」
家の狭い隙間に入っていったらしい。そこへ向かうとごみ箱の上に黒いマントが置かれていた。
「これは例の犯人のものか?警察に後で回収してもらおう」
「くそっこれじゃ、男ってだけしか手掛かりはないっすね」
(そういえばこのごみ箱がある場所前にも来たような…?)
今はそんなこと考えてる場合じゃない、と自分に行かせて首を振る卓斗。

「とりあえず、前に進もう」

―ピピッ

『こちら指示本部、梓。警察の権限を借りて、防犯カメラの映像を入手。犯人の行く先がわかったわ。その道を抜けて、左よ』

「了解」

「逃がすもんか!」

卓斗はすぐに走り出した。道を通り抜けると迷わず、左に曲がる。その時…
―ズキッ
(こんな時にまた頭痛が…)
顔をゆがめて、必死に痛みを我慢した。が足は止めてしまった。
「卓斗!大丈夫か??」
「大丈夫です、昨日治ったはずの頭痛がしてるだけなんで」
「無理はしないで…ください」
くるみが心配そうに卓斗を見あげる。
「大丈夫!さ、追いかけるぞ」
と言って、走り出そうとした方向は道が広く開かれていて、その先に2階建ての家が建ち構えてあった。
そして、その屋根に立っている人が…帽子をかぶっているのと距離が少しあるせいで顔はわからない。
そいつは拳銃をこちらに向けていた。だからこちらも三人とも拳銃を向けた。
「やっと見つけたよ、逃げるのはもうやめたみたいだな」

 緊張した空気が張り詰める。